インビザライン矯正と格安矯正の違い

2025.10.17

  • 基礎知識
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最近、「低価格でできる歯列矯正」「格安矯正」といったフレーズと共に、様々なブランド(例:キレイライン・Oh my teeth)の情報が多く見受けられます。

そのような中、歯列矯正に対する理解がない場合、数多くのブランドから自分に合う治療法を選ぶのは大変です。

そこで、多くの方が抱える疑問にお答えすべく、「格安矯正」としてしばしば耳にするブランドと、世界的に広く使用されている「インビザライン」という矯正治療法との主な違いを詳しくご説明したいと思います。


まず、マウスピース矯正「インビザライン」と、その他の主要なブランドを表にして比べてみます。

ご覧のように、ブランドごとに症例数にはばらつきがあり、後発のブランドはシェア拡大のために価格設定を低く抑えるケースが多くなっているようです。

これらが、一般的に「格安矯正」とも呼ばれています。

▲マウスピース矯正ブランド別の症例数比較表

すべてのブランドを詳細に比較することは難しいため、ここでは「キレイライン」と「Oh my teeth」を取り上げ、マウスピース矯正におけるシェアNo.1の実績を持つ「インビザライン」との違いを対象症状で見てみましょう。

※インビザラインには複数のタイプがあるため、今回は「ライト」と「コンプリヘンシブ」のプランに焦点を絞ってご説明いたします。

症状/ごく軽度症状/軽度症状/中度症状/重度
キレイライン×
Oh my teeth Basic×
インビザライン
ライト
インビザライン
コンプリヘンシブ

具体的な対象症状は、実際に診断を行ってみなければわかりませんが、傾向として「ごく軽度」に向いているのが「キレイライン」や「Oh my teeth」等の格安矯正。

「軽度」から「重度」に向いているのがインビザラインということになります。

格安矯正は、部分的な矯正に特化しており、治療期間や適用範囲に制限があることが多いです。


ただ、実際に歯並びが気になる、歯列矯正を検討したいとお考えの方は、歯並びに関する根本的問題を理解しておいたほうが安全です。

そこで、まずは歯並びが悪くなる原因についてご説明します。

▲不正咬合の種類

上の図のように、不正咬合にはさまざまなケースがあり、その症状を引き起こす原因もまた多様にあります。

しかし、不正咬合は「顎が小さい」ことが要因となっているケースが多くあります。歯が並ぶスペースが足らず、歯並びが乱れてしまうのです。

そのため、歯列矯正は「小さな顎でも歯を正しく並べるスペースをどう確保するか」、という点が課題になります。


では、インビザラインと格安矯正、それぞれ、どのような治療で「歯を並べるスペース」を確保するのかを比べてみましょう。

格安矯正インビザライン矯正
基本治療前歯を外に広げる奥歯を奥に動かす
追加治療・IPR(歯を削る)
・拡大床
IPR(歯を削る)

まず、格安矯正(例:キレイライン・Oh my teeth)は、基本的に前歯を前方に広げることでスペースを確保します。

そして、それでもスペースが確保できない場合は、前歯を削る「IPR」という治療、前歯や奥歯を外側に広げる「拡大床」という治療が行われます。

同じマウスピース矯正でも「インビザライン」は、親知らずが生えていた場所に「奥歯を奥に動かす」ことで歯を並べるためのスペースを確保します。

前述した「格安矯正では前歯を前方に広げる」ということについてもう少し詳しく説明しましょう。

▲格安矯正の治療法

格安矯正での歯の動かし方は、上の図のようになります。

見た目、美しく揃っているかのように見えるかもしれませんが、前方へと広げた分、前歯が前に出ます。

結果として、下記のように口元が盛り上がった「口ゴボ」になる可能性があります。

矯正治療の失敗で口ゴボになることも

当然、ごく軽症な症状の場合は、正しく並ぶ可能性もあります。

ただし、不正咬合が中度・重度の場合、前歯だけ動かす治療法では限界があり、口元がもっこりして、「ゴリラ顔」と呼ばれる口ゴボ(前顎突出)になってしまうことも、決して少なくないのです。

実際、当院で歯列矯正を希望される患者様の中には「格安矯正で口ゴボになってしまった」という方もいらっしゃいます。

「自分の症状が格安矯正に適してるか」「どのように動くのか」と気になる方は、それぞれのブランドの公式サイト等を参考にされるのもいいでしょう。

そして「自分の症状は格安矯正に向かないのでは…」とご心配な場合は、当院で無料の矯正相談を行っていますので、一度受診されることをおすすめします。

格安矯正の失敗で知覚過敏

また、格安矯正の場合は「IPR」と呼ばれる、歯と歯の間を少し削ってスペースを確保する方法がよく利用されますが、経験の浅い歯科医師がこの方法で削り過ぎると、歯が細くなったり、知覚過敏やすきっ歯になる可能性があります。

格安矯正の失敗例、拡大床
▲格安矯正で使用される拡大床

さらに、IPRのみで充分なスペースが確保できない場合、金属のバネを利用して歯列を頬側に広げる装置「拡大床」を勧められるケースが少なくないようです。

が、広げ過ぎてしまい、歯が外側に斜めに傾斜することで、出っ歯や口ゴボがかえってひどくなるケースもみられます。

インビザライン矯正と格安矯正を比較した際、最も異なる点が「インビザライン矯正は奥歯から歯を動かせる」という点です。

▲インビザライン矯正の治療法

親知らずのスペースを生かして奥歯を順々と奥へ動かすため、格安矯正のように前歯が前に広がることはありません。

「ゴリラ顔」「口ゴボ」になる心配もなく、安心して治療が受けられます。


次に抜歯を必要とする重度の不正咬合の場合に、どのような治療を行うかということについてご説明しましょう。

重度の不正咬合の場合、前から4本目の左右の歯を一本ずつ抜いて、スペースを確保することがありますが、歯を抜くと逆にスペースが空きすぎてしまうということが起こります。

その場合、インビザラインでは前歯を動かすだけでなく、奥歯を前側に動かして、歯を抜いた後のスペースが隙間にならないように調整します。

次に格安矯正の場合です。前述したように格安矯正では奥歯から歯を動かすことができません。

つまり、格安矯正で抜歯をしてしまうと、抜いたスペースが埋められることなく、すきっ歯になってしまうのです。

格安矯正で抜歯が必要となる重度の歯並びが対象外となっているのは、このような理由があるというわけです。


矯正治療で期待できる口ゴボ改善・Eライン等

当院のインビザライン矯正は、奥歯の噛み合わから歯並びを整えるため、結果としてお顔全体に良い変化をもたらすことが期待できます。

噛み合わせが安定することで、口元のバランスが整い、スッキリとした印象になる可能性があるのです。

患者様の中には、フェイスライン・顔の歪み・たるみ・ほうれい線・シミ・シワ等で嬉しい変化があったというお声もいただきます。


さらに、奥歯の噛み合わせを整えることで、下記のようなお声をいただくこともあります。

・口呼吸が改善されて虫歯や歯周病、口臭がなくなった
・顎の違和感が軽減した
・よく咀嚼することで消化が良くなった
・話しやすくなった
・イビキが気にならなくなった


今回は、インビザラインと格安矯正の違いについてご説明しました。

症状や費用によってご希望される治療は異なり、一概に格安矯正が悪いとは言えませんが、キレイラインは「上下の前歯12本の歯並びを対象とした、軽度な症状に向く矯正」であることは間違いありません。

そのため、後になって後悔しない医院か、自分の症状に合うか、安心できる治療か、支払い方法かといったことは、しっかり注意しておくほうがよいと思います。

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